当クリニックの胃カメラ、大腸カメラについて
当クリニックの院長は内視鏡専門医であり、勤務医の頃から数々の胃カメラや大腸カメラによる内視鏡検査を行ってきています。現場で培ってきた多様な技術により、患者様が安心して受けられる環境づくりにも励んできました。内視鏡検査を初めて受ける方、不安や苦手という方、検査を受ける前に気になることやお悩みのことを一度ご相談ください。ストレスにならない心構えや姿勢などを丁寧にアドバイスいたします。
内視鏡検査(胃カメラ、大腸カメラ)は、消化管内に炎症や早期がんなどの腫瘍性病変があるかどうかを診断するために行います。なお、検査にあたっては観察するだけでなく、組織を採取(生検:ごく小さい組織片を摘まみ出し、顕微鏡などで詳しく調べること)することも可能で、さらに必要であれば簡単な内視鏡的手術(ポリープの切除等)も行うことができます。どちらにしても検査にかかる時間は5~30分程度で、前日からの用意と検査前後の時間を含めても半日~1日程度で終了します。
胃カメラ
胃カメラとは
一般的には胃カメラと呼ばれることが多いですが、正式には上部消化管内視鏡検査と言います。厳密に言うと胃カメラと内視鏡は全く別の医療検査機器で、内視鏡は後発になるわけですが、精度や利便性の良さなどから加速度的に普及していき、いつしか胃カメラに取って代わる存在となったことから、このように呼ばれるようになりました。大腸カメラも同様です。
胃カメラは内視鏡(カメラ)を口や鼻から挿入することで、食道・胃・十二指腸などを観察することができ、それら器官に潰瘍や炎症、腫瘍、ポリープなどがあるかどうかを診断します。
内視鏡を鼻から挿入するタイプ(経鼻内視鏡)と、口から挿入するタイプ(経口内視鏡)が胃カメラにはありますが、当クリニックはどちらにも対応しています。なかでもリピート率が高いとされる経鼻内視鏡は、鼻から挿入することで舌の付け根にスコープが触れないことから嘔吐感が少なくて済むこと、検査中も会話ができるので医師に質問することができるという点から好評です。また、経口内視鏡はスコープが舌の付け根に触れることで嘔吐感は生じますが、鼻よりも太いスコープを挿入できることから、より鮮明な画像による検査が可能になります。
定期的に検査をお受けください
定期的に胃カメラによる検査を受けることで、万一胃がんになっていたとしても早期発見の確率が飛躍的に高まります。なかでも、慢性萎縮性胃炎やピロリ菌感染の疑いがあるという方は、定期的に胃カメラの検査を受けることをお勧めしています。
胃カメラ検査をお勧めしたい方
- みぞおちの周辺が痛む方
- 胃の不快感・胸やけ・喉または胸のつかえ感がある方
- 吐き気・嘔吐・吐血の症状がある方
- 体重の急激な減少がある方
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍を繰り返している方
- 胃がん・食道がんになった家族のいる方
- 塩分を多くとる方 など
胃カメラで早期発見が可能な病気
- 逆流性食道炎
- 胃炎(急性・慢性)
- 胃ポリープ
- 十二指腸潰瘍
- 食道がん
- 食道ポリープ
- 胃潰瘍、胃がん など
胃カメラを受ける際の注意点
胃カメラによる検査を希望される場合、最初に日時の予約を行います。なお検査をするにあたって、事前に採血や同意書への記入が行われることがあります。検査日前日以降の注意点は以下の通りです。
- 検査前日
-
- 前日の夕食は、なるべく早めに済ませるようにしてください。
- アルコールは控えることが好ましいです。
- 遅くとも午後9時を過ぎたら飲食、服薬をしないようにしてください。
- 検査当日
-
- 検査が終わるまで、飲食は禁止です(うがいは構いません)。
- タバコは吸わないでください(胃液分泌が多くなり、検査が行いにくくなります)。
- リラックスして検査が受けられるよう、ゆったりとした服装でご来院ください。
胃カメラ検査の流れ
胃カメラは挿入する場所(鼻か口)によって検査機器も手順も異なります。検査当日の経鼻内視鏡と経口内視鏡の大まかな流れは次の通りです。
経鼻内視鏡
- 1. 問診後、消泡剤を飲む 胃の中の泡を消泡剤で除去し、観察しやすい環境にします。
- 2. 挿入する方の鼻を選択し、鼻腔に麻酔薬を注入 鼻の通りが良い方を確認し、内視鏡を挿入する方の鼻の奥に麻酔をします。
- 3. ベッドで横向けに寝て内視鏡を挿入、検査開始 麻酔が効いてきたらベッドへ。口は自由に動かせますので、医師らとの会話は可能です。
- 4. 胃の内部などを観察 食道、胃、十二指腸を観察し、必要があれば組織を採取。
- 5. 検査終了 一通り観察を終えたら検査は終了。検査時間は、個人差はありますが、5分程度です。
経口内視鏡
- 1. 咽頭麻酔を行う
- 2. 検査開始 マウスピースをくわえ、左側を下にしてベッドで横になります。次に口から胃カメラを挿入し、検査が始まります。
※鎮静剤をご希望になる方は、鎮静剤を注射してから検査を行います。 - 3. 胃の内部などを観察 胃をはじめ、食道、十二指腸を観察し、必要があれば組織を採取します。検査中に口の中で溜まった唾液は、飲み込まずに口の横から流し出してください。
- 4. 検査終了 一通り観察を終えたら、検査は終了。検査時間は、個人差はありますが、5分程度です。
検査後の注意点について
- 経鼻内視鏡検査を受けた後は、鼻を強くかまないでください。
- 検査後、1時間程度は飲食を控えてください。とくに経口内視鏡検査を受けた方は、咽頭麻酔が切れるまで、検査終了後1~2時間は飲食を控えてください。
- 組織検査を行った方は、お食事は2時間以上が経過してからにしてください。
- 検査後2~3日は、アルコールや香辛料などの刺激物は控え、消化の良いものを召し上がるようにしてください。
- 検査当日の車の運転は控えてください。
- 胃カメラ施行時に胃に空気を入れて膨らませるので、検査後はお腹が張りますが、次第に楽になりますので、心配する必要はありません。
大腸カメラ
大腸カメラとは
正式には下部消化管内視鏡検査と言いますが、一般的には大腸カメラと言われることが多いようです。大腸(結腸と直腸)の内側と小腸の一部内側を観察するために肛門から内視鏡(カメラ)を挿入していき、直腸から盲腸までの炎症、ポリープやがん、潰瘍などの病変を調べていきます。
同検査であれば、バリウムなどの検査では識別困難であった大腸の色調変化や粘膜面の変化を捉えることもできますので、小さなポリープの発見も可能です。また、ポリープやがんなどの疑わしい部位が見つかった場合は、生検のための採取、早期の大腸がんであれば内視鏡による治療を行うことも可能です。
当院では,軸保持法を導入し,少量の鎮静薬を用い,痛みの少ない大腸カメラを施行しています。
曲がりくねった構造をしているのがヒトの消化管で、大腸カメラはその中を肛門から逆向きに入っていくので、通常は検査中に多くの方が腹痛やハリを訴えます。当院では,軸保持法を導入し,少量の鎮静薬を用い,痛みの少ない大腸カメラを施行しています
お気軽にご相談ください。
また,通常,検査前には消化管の中をきれいにする必要がありますので、大量の下剤を服用(2リットルほどの下剤で数回に分けて飲む。あるいは前日から下剤を飲むこともあります)します。当院では,楽な下剤の服用を行なっています.検査日が決まりましたら、その日まで避けた方が良い食べ物や下剤の服用方法について説明いたします。
大腸カメラを受けた方がよいとされる方の症状
- 血便
- 便通異常(便秘・下痢)
- 腹痛、腹部膨満感
- 貧血を指摘されている
- 顔色が悪いと言われる
- 急激な体重の減少
- 便潜血反応で「陽性」と出た
- 大腸ポリープや大腸がんを治療した経験がある など
大腸カメラでの検査・診断が有効とされる主な疾患
- 大腸ポリープ
- 大腸がん
- 潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患
- 大腸憩室症(腸管の内壁の一部が外側に向かって袋状に飛び出した状態)
- 虚血性腸炎(大腸の血流障害によって大腸粘膜に炎症や潰瘍が生じ、突然の腹痛や下痢、下血をきたす疾患) など
検査を受ける際の注意点
大腸カメラによる検査を希望される場合、まず大腸カメラを受ける日時を決定(予約)します。なお検査をするにあたって、事前に採血や同意書への記入が行われることがあります。検査日前日以降の注意点は以下の通り。
- 検査前日
-
- ひじき、わかめ、こんにゃく、きのこ類など繊維質の多い食品、またイチゴやキウイなど種子の多い食品は、検査2日前から控えるようにします。
- 夕食は午後8時頃までに、消化の良いものを軽めに摂り、早めに就寝するようにしてください。
- 検査当日
-
- 検査が終わるまで、飲食・服薬は禁止です。
- タバコは吸わないでください。
- 自動車やバイク、自転車などを自分で運転してのご来院は控えてください。
大腸カメラ検査の手順
検査当日の大腸カメラの大まかな流れは以下の通りです。
- 1.検査着に着替え、少量の鎮静剤を投与(注射)します。
- 2.左側を下にしてベッドに横になり、肛門から内視鏡を挿入して検査を開始します。
- 3. 医師がモニターに映る大腸の内部を隅々まで観察(生検のための採取をすることも)します。
- 4.一通り観察を終えたら検査は終了。検査時間は10~30分ほどです。
大腸カメラ検査後の注意点について
- 検査後の注意点
-
- 空気がお腹に溜まることがありますが、トイレに何度か行くことでその違和感は解消されます。
- 通常、飲食は1時間後から可能です。
- 生検を行った場合は、検査当日の暴飲暴食や過度な運動は控えるようにします。
- 検査当日のお風呂はシャワー程度にし、車の運転や強度の運動は避けてください。
- 検査終了後、気になる症状がある場合は、すぐに医師にご相談ください。